理事長あいさつ
理事長 東京医療保健大学・大学院教授 楠田 聡
ご挨拶
2023年4月
一般社団法人日本頭蓋健診治療研究会理事長
楠田 聡
本研究会は、小児の頭蓋健診と治療に従事する関係者で構成される学術団体として、2020年10月31日に設立された。本会は、学術講演会の開催、他の関係学術団体との交流および連携、調査研究の奨励、情報や指針の提供等を目的としている。そのため、多くの職種および分野から会員として参加し、小児科医、小児脳外科医、小児外科医、小児整形外科医、小児形成外科医、産婦人科医、助産師、看護師、理学療法士等で会が構成されている。
現在までの活動としては、第1回研究会を本会設立時に開催したのに続き、計8回の学術集会を開催している。新型コロナ感染症拡大のため、多くはWeb開催となったが、ハイブリッド形式での開催時には、会場に多くの方が参加し熱心な討論を展開した。さらに、2022年4月には、研究会有志を中心として、『小児の頭蓋健診・治療ハンドブック 赤ちゃんの頭のかたちの診かた』を刊行した。また、頭蓋変形治療の標準化を目指して、「留意点」を発出している。これらの活動は、頭蓋健診に関わる人材の育成と標準化に寄与するものと考える。
さらに、頭蓋変形治療を受けた児のご家族を中心とした、「赤ちゃんの頭のかたちサポーターズ」が2022年に設立されたことから、本会と連携してご家族のサポート体制を強めていく予定である。特に、ヘルメット治療に必要な費用については、医療政策が深く関わるために、本会と家族の会の連携が重要である。
小児の頭蓋変形の健診および治療については、わが国では比較的新しい医療分野であると言える。そのため、健診方法、診断法、および治療法の標準化は本会の最大の目的であるが、さらに、全ての小児が適切に健診を受け、必要な場合には適切な治療を受けることが可能な体制の構築も、重要な達成目標である。
本会の目的の達成のためには、より多くの関係者が本会に所属し、相互の連携を深めることが必須である。より多くの皆様が本会に参加し、より多くのこども達の将来の健全な発育・発達が約束される状況になることを祈念しております。